田中裕也– Author –
田中裕也
実測家、建築家・工学博士
バルセロナに住みながらガウディ建築物の実測とその図面化を行う。特にサグラダファミリアの実測図 (1/50 の断面アイソメ図)には5年、グエル公園の全体立面図には8年の年月を要した。実測の過程で、ガウディ建築に込められたデザイン・構造・神話、さらに地域性やアイデンティティを縦横に読み解いていく。その他、研究を生かして1998年からユネスコ・フォーラムの招請を受けてベラクルスのサン・ホワン・デ・ウルワ城塞修復計画ワークショップをする。以来、全国において、ガウディ、実測、 歴史、コード、作図についての説明を60回以上の展示会・講演会、まちづくりワークショップ活動と共に進めて現在に至る。特にガウディの煉瓦構造とその素材を生かした応用として北海道江別市のモニュメントBT1をはじめとして、ガウディの生誕の町リウドムスでのアルブレ広場では日本とスペインの特性を生かした改修計画、ガウディのデザイン手法を生かした東京都府中市の北山幼稚園のデザイン・設計施工を手がけた。2015年にはバルセロナ建築士会での田中裕也の作図展やサロンデマンガの作図展、続いて2016年には、初めて銀座の渋谷画廊にてガウディ建築の作図展を行った。
1952年9月30日北海道稚内市生まれ
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第41回 作品に隠された物語・演出を探る楽しさは歴史的建造物だからこそ
ガウディは“建築家の役目は機能の特質的な形態を見つける事であり、言葉も幾何学の... -
第40回 カサ・バトリョが想像をかき立てるサンジョルディと素戔嗚尊(すさのおのみこと)の類似性
ガウディは屋根について“屋根は防水で柔軟でなくてはならない。これは矛盾のようで... -
第39回 伝統的ゴシック建築の中にも独自の想像力で時代を超えた建築様式の融合と、造形的インパクトを
ガウディは、理想のゴシック建築を追求した人であるが、伝統的建築手法とか建築様... -
第38回 サン・ジョルディのドラゴン退治を思いながら建物を見ると見えてくるもの
ガウディは、旧家又は実家について“懐かしい家族、歴史的功績、民話、詩、劇、母な... -
第37回 太陽の光さえも造形に取り込み謎を秘めたカサ・バトリョ
ガウディは“人生は戦争である。戦う為には力が必要である。力は徳でそれは自ら支え... -
第36回 立体十字の塔がないガウディの作品とバルセロナを彩る様々な建築様式
ガウディは建築家について“言葉は幾何学の様に具体的であって装飾的であってはなら... -
第35回 カサ・バトリョを英雄サンジョルディを建築モチーフとしたと考えれば
ガウディは地中海の特性の中で“我々の力と美しい形の卓越性は、感性と理論の均衡に... -
第34回 ガウディ建築のアイデンティティーを神話とドラゴンに見る
建物を見るとき、背景を含めた建物全体をはじめに捉え、屋根、壁、入口という具合... -
第33回 外観からは解らないカサ・ミラ、カサ・バトリョの類似性
外壁では他の作品と演出に大きな違いを見せていたが、内部空間の実測で階段を中心... -
第32回 3度描き直し、4度目で初めてインキング、カサ・バトリョ
何かを求めようと無我夢中の行為からはじまった海外生活でのスタートは、それまで...